歯科医院の感染症対策

このページでは、歯科医院における感染症対策を徹底させようとする際、あらかじめ把握しておくべき注意点について解説しています。

接触感染の対策

接触感染を予防するために必要な対策として、次のようなものがあげられます。

• こまめな手洗いや手指消毒
• 診療の際のグローブ着用
• 血液や体液などに触れる可能性がある際の、汚染状況に応じた使い捨てガウンの着用
• よく触れる場所のこまめな洗浄および消毒

手袋やゴーグルなどの取り扱い

手袋・フェイスシールド・ゴーグルを扱う際におさえておくべき注意点として、次のようなものがあげられます。

• 患者さんごとに着用する手袋を替えます。
• 手袋を装着する前と後のいずれにも、手洗いと手指消毒をしっかりと行いましょう。
• 穴あきや破損などの手袋リーク率は、ラテックス手袋の場合では0〜4％、そしてニトリル手袋の場合では1～3％と低いです。一方、ビニール手袋だと、26〜61%とかなり高くなります。
• エアロゾルへの対策として、手袋・フェイスシールド・ゴーグルを着用します。眼を守るために、メガネではなくフェイスシールドやゴーグルが必要となります。

参照元：日本歯科医学会連合（https://www.nsigr.or.jp/coronavirus_protect.html）

歯科用ユニットやその他接触部位の消毒

歯科用ユニットおよびその周囲、その他接触部位の消毒を行う際の主な注意点は、次のとおりです。

• 患者さんが触れた箇所や触れた可能性がある箇所については、抗ウイルス作用を持つ消毒剤を含んだクロスを使って、ていねいに清拭するようにしましょう。
• ユニットやその周りだけでなく、レセプトコンピューターなどを含む周辺機器もあわせて清拭する必要があります。
• お手洗いについても、高頻度で人が触れるドアノブ・便座、・流しハンドルなどをこまめに清拭します。

参照元：日本歯科医学会連合（https://www.nsigr.or.jp/coronavirus_protect.html）

印象材や技工物の消毒

印象材、技工物などを適切に消毒するために、対象物の性質や推奨される消毒方法などをふまえておくことが大切です。たとえば、アルジネート印象材はラバー系の印象材よりも口腔内微生物がくっつきやすいので、前者には２分間以上、そして後者には30秒間以上にわたる水洗をすることが推奨されています。また、アルジネート印象材に付着した微生物は石膏模型に伝播しやすいため、できれば石膏の注入を行う前に消毒するのが望ましいです。

参照元：日本歯科医学会連合（https://www.nsigr.or.jp/coronavirus_protect.html）

飛沫感染の対策

飛沫感染を防ぐために、診療時には必ずマスクを着用し、院内を高頻度で換気するようにしましょう。また、よく触れる箇所については、特にこまめに消毒することが大切です。

空気感染の対策

空気感染を防ぐために、手洗い・うがい・手指消毒を高頻度で行い、さらにN95マスクを着用することが求められます。定期的な換気も欠かせません。また、 口腔外バキュームを使ってエアロゾルの吸引を行いましょう。

抗菌コーティングでの対策も可能

接触感染・飛沫感染・空気感染を防ぐために、細かいところまで注意を払って施設内の衛生環境を整えることが求められる歯科医院。念を入れて対策を続けることは大切ですが、対策の一部分を便利な抗菌コーティングで対応するのも、ひとつの方法です。施工箇所や使用するコーティング剤によって異なりますが、1～5年間と比較的長期にわたる効果を期待できます。