銅
銅は細菌やウイルスなどに対して強い超抗菌性能があることから、医療機関でも採用されている成分です。このページでは、銅が持つ抗菌効果や銅の緑青の毒性についての誤った認識についてまとめています。
銅が持つ抗菌効果
銅が持つ抗菌効果には、どのようなものがあるのかについて解説します。
レジオネラ菌に対する効果
レジオネラ菌は自然の中の土や水に生息する菌で、レジオネラ属菌に汚染された循環式浴槽・給湯設備などの水や堆肥などから感染する恐れがあります。レジオネラ菌に感染するとレジオネラ肺炎やポンティアック熱を発症する可能性があり、特に注意したいのがレジオネラ肺炎です。入浴施設でレジオネラ菌に感染した人がレジオネラ肺炎を発症し、死亡した事例も報告されています。
一般社団法人 日本銅センターから委託を受けた北里環境科学センターがレジオネラ菌に対する銅の超抗菌性能試験を行ったところ、銅板にレジオネラ菌をまいて培養した結果、1枚あたりに50~60万CFUいた菌が1000CFU以下に大幅減少。また、別の試験では、銅イオンの濃度と作用時間に比例して超抗菌効果が高くなることが分かっています(※)。
これらの試験により、銅のレジオネラ菌に対する優れた超抗菌効果が実証されました。
※参照元:一般社団法人 日本銅センター公式HP[PDF](https://www.jcda.or.jp/Portals/0/resource/center/shuppan/dou155/d155_03.pdf)
クリプトスポリジウムに対する効果
クリプトスポリジウムは汚染された水などを介して経口感染する可能性があり、感染すると激しい腹痛や下痢を引き起こす病原菌微生物です。水道水の殺菌に使用される塩素消毒でも死滅しないほど塩素に強く、さらに少量でも感染の恐れがあるため、飲料水への汚染が怖がられています。
北里環境科学センターで銅イオンのクリプトスポリジウムに対する効果の実証試験を行ったところ、実用的な濃度の銅イオンによってクリプトスポリジウムのオーシスト(クリプトスポリジウムを覆う硬い殻)の形が壊れたり崩れたりしているのを6~11%の割合で確認。マウスを使って銅イオン処理を施したオーシストの感染性を評価した結果、感染性不活化の効果が認められました。
参照元:Copper Book公式HP[PDF](http://copperbook.jp/data_book/doushi/159.pdf)
従属栄養細菌を抑制する
従属栄養細菌とは、給水用系の水道管を通る水中で発育する細菌です。従来の培養条件では検出できず、低い栄養培地に遅れて発育してくるのが特徴で、長期間貯水すると日和見感染を起こす病原菌を増殖させることが明らかになっています。免疫機能が重度に低下した患者さんや血液疾患の患者さんなどに感染しやすいことから、これらの患者さんを多く収容する医療機関で問題となる細菌です。
北里環境科学センターが給水用銅管と樹脂系配管材を使用して、水道水の充てん後の従属栄養細菌の発育を調べたところ、樹脂系配管材は従属栄養細菌が経時的に増加する結果に。一方で銅管は従属栄養細菌が減少し、7日後には100分の1にまで減少。この実験により、銅管には水道水中の従属栄養細菌の発育を抑制する効果が立証されています。
参照元:Copper Book公式HP[PDF](http://copperbook.jp/data_doukan/data/koukinryoku.html)
銅イオンの持つ作用
金属には、微量金属作用と呼ばれる「水などに溶けだした微量の金属イオンによって細菌類の働きを抑える効果」があります。銅イオンの場合は、微量金属作用によって細菌の増殖を抑えることが可能とされています。
細菌の増殖を抑えられるメカニズムとしては、水分と反応したことで生成された強い酸化力を持つ活性酸素分子種が細菌の標的分子を分解する作用があるため。それにより、銅と接触している細菌の増殖を抑えることができるというわけです。
また、一般社団法人 日本銅センターが行った試験で、銅イオンの微量金属作用には細菌の除去効果があることが実証されています。たとえばA型インフルエンザウイルスに対する調査では、銅の試験片にインフルエンザ液を接種して感染性を測定したところ、銅に接触したウイルスは30分間で完全に感染性が不活化(検出の限界以下まで減少)することが分かりました。
参照元:一般社団法人 日本金属屋根協会公式HP[PDF](http://www.kinzoku-yane.or.jp/technical/pdf/2021-05a.pdf)
銅の緑青に毒性はない
現在では銅は無害という認識が一般的ですが、昭和までは理科の教科書に銅の錆びの一種である「緑青」に毒性があると記載されていたこともあり、銅は健康に害を及ぼすものだという誤った認識が流布していました。銅は無害という現在の認識につながるきっかけとなったのは、厚生労働省が発表した研究結果です。1981年から3年に渡って行った研究により、銅の緑青に毒性はないことが明らかとなりました。
ただ、いまだに銅は有毒という誤解をしている人も存在するため、誤った知識に惑わされないように注意が必要です。
おすすめ
抗菌コーティング会社3選
ここでは抗菌コーティングの施工業者の中で、特におすすめしたい企業を3社紹介します。
それぞれの抗菌コーティングや施工方法に違いがあるので、自社に適した企業を選んでくださいね。
学校、オフィス
などの抗菌に

引用元:デルフィーノ公式HP
https://delfinocare.co.jp/
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エリア | 全国 |
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施工時間 | 約2時間で300平米を施工 |
対応時間 | 24時間365日 |
直後使用 | 可 |
などの抗菌に

引用元:ナノゾーン公式HP
https://nanozone.jp/
- 施工方法
- 人による施工
- 養生工事が不要なため、毎日営業しなくてはならない施設におすすめ
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エリア | 全国 |
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施工時間 | 20平米で1時間前後 |
対応時間 | 24時間365日 |
直後使用 | 可 |
などの抗菌に

引用元:エコキメラ公式HP
https://ecokimera.com/
- 施工方法
- 人による施工
- 暗い場所でも触媒反応を起こすため、光の入りにくい施設におすすめ
- 安全性にも配慮し試験を実施
エリア | 関東,関西,東海,長野,福岡 |
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施工時間 | ― |
対応時間 | 9:00-18:00(日曜除く) |
直後使用 | 48時間は乾燥期間が必要 |